本日はCarl Zeiss Planar 50mmF1.4 T* AEJのレビュー的なものをつらつらと語りたいと思います。(今回はお気に入りのレンズなんで作例多めです!)
Carl Zeiss Planar 50mmF1.4 T* AEJとは
1975年に発売されたこのレンズは当時「標準レンズの帝王」と評され(カタログに自分でそう書いていたらしいのであくまでも自称ですが。笑)、オールドレンズファンならお馴染みの富岡工学が生産していたとされていることもあり、今でも非常に人気の高いオールドレンズです。
このレンズには前期のAEJと後期のMMJが存在し、AEJではF2、F2.8で絞りの形が手裏剣のようになってしまうのが特徴です。MMJでは手裏剣にならないので綺麗な玉ボケが期待できますが、バルサム切れが起こりやすいらしく、良い個体は結構値が張ります。
レンズ名にあるPlanar(プラナー)とは「ダブルガウス型」のレンズ構成を意味しており、かの有名な「スーパータクマー」や「EF 50mm F1.8 STM」も同じダブルガウス型のレンズ構成を採用しています。(ライカは開放F値が名前についていますが、カールツァイスはレンズ構成なのおもしろうですよね、何でなんだろう。)
今の中古価格は大体3万円後半から5万円くらいでしょうか。僕はフリマアプリでちょっとカビがある個体を安く買い分解清掃しました。(分解は自己責任でお願いしますね。)
※ここまでの情報はちらっと調べた知識なので間違っていたらすいません。
肝心の描写は...?
いくら評価された歴史のあるレンズといえど、肝心の写りはどうなんだろう?そう思いながら使い始めましたが、もう最高です...!
絞り開放では全体的にソフトですが中心には芯があり大きなボケが楽しめます。F2.8からは全体的にシャープさが出てきて、特に中心の解像感はとんでもなくて現代の高級レンズに匹敵するんではないでしょうか。(まあ現代の高級レンズは開放から解像しますね。
なのでいかにもオールドレンズの写りが欲しい時は絞り開放で、現代的な写りが欲しい時はF2.8~を使うって感じです。
ただ、解像してほしい&ある程度ボケてほしい時にちょうどいいF2.8の時の玉ボケが手裏剣になってしまうのが少し気になる時がありますね。まあ気にして見なければ別に綺麗なんで、弱点というほどではないんですけどね。
あとちょっとだけボケが騒がしいかも。(騒がしくなってしまうような被写体ばっかり撮ってるからか...?)
柔らかく映してくれる優しいレンズ
F2.8以降はきっちり解像するレンズですが、やはりオールドレンズたるもの開放で使い特徴的な描写を楽しみたいところ。なのでだいたい開放で撮影しちゃってます。
開放では先述した通りにじみが特徴的で、ピントが合っているところも芯がありながらも柔らかく描写してくれます。
なので作例も見ていただいてるようにお花や自然風景などの相性が非常に良いと思っています。
以下の作例は全て開放で撮影しています。
50mmはこいつで良いんじゃない?
ここまで入手してから半年以上α7R Vのメイン標準レンズとして使ってきましたが、結論としては「50mmレンズはこれで良いや」です。
もちろんMFでめんどくさいし、解像力という意味では現代のレンズには敵いません。AFの方が圧倒的に便利ですし。
ただ趣味でカメラをやっていく上で、解像性能が高く高速AFの現代的なレンズを使う意味があるんだろうか、ヤシコンプラナーで必要十分じゃないか、こいつはそんなふうに思えるレンズです。